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夜と霧

ヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」を読みました。

フランクルはウィーン生まれの精神科医で心理学者ですが、ユダヤ人であったために

ナチスの強制収容所に入れられました。

そのフランクルの体験を中心に書かれたのが夜と霧です。

大変有名な本なので、読んだことのある方も多いのではないかと思います。



この本は“すごい”本なので、とても感想などは書けないし、もし思いを書いたとしたら

ブログには書ききれないので、私なりに考えたり気付いたりしたことを少しだけ書いてみます。



まず一つ目として、生き抜くことができた人々の精神的な特質について

考えさせられました。

あの過酷で残虐さを極める収容所で生き残るには、肉体的な強靭さも勿論必要だったと

思うのですが、それ以上に精神的な強さが必要だったのかもしれません。

生き残ることができた人たちの精神的な特質・・・これはフランクル自身の特質でもありますが、

 
 
  ・希望のある人

  ・自分の状況がどのようになったとしても普遍的に変わらない「生きる理由」を持って
  
   いる人

  ・自分を客観的に見ることのできる人

  ・ユーモアの精神のある人
  
    (収容所にもユーモアがあったということには、正直言って驚きました)

  ・信仰心のある人


などの特質があるのではないかと思いました。

特にその中でも「希望」と「生きる理由」が大切だと思います。




それから二つ目として考えさせられたことは、善と悪には絶対的な境目はない

ということです。

収容所のユダヤ人の仲間の中にも、悪意をもって不正に仲間を欺いたり、

酷い仕打ちをした人もいたようです。

一方、監視兵の中にも、収容されていた人に対して一回も手をあげることが

なかったり、時には自分のパンをこっそりあげたりなど、道徳心や良心を失わずに

収容されていた人を人間的に扱った人もいるようです。

そのことをフランクルは次のように記しています。



    われわれはこの地上には二つの人間の種族だけが存するのを学ぶのである。

    すなわち品位ある善意の人間と、そうでない人間との「種族」である。

    そして二つの「種族」は一般的に拡がって、あらゆるグループの中に

    入り込み潜んでいるのである。

    専ら前者だけ、あるいは専ら後者だけからなるグループというものは

    存在しないのである。

    この意味でいかなるグループも「純血」ではない。



私たちはつい、“○○に属する人だから・・・” “××グループの人だから・・・”

あるいは人種とか民族とか宗教とか・・・そういうものの違いで人々をカテゴリー化して

しまい、その人を判断してしまう傾向があると思います。

でもそのようにステレオタイプ的に人や物事を判断してしまうと、それが差別や偏見に

繋がってしまう恐れがあります。

また私たち人間の、一人ひとりについて考えてみても、

人は絶対的な善にはなれず、絶対的な悪にもなれない・・・

私たちは善にも悪にもなれる、

ある意味尊い、でもある意味恐ろしい存在なのだと肝に銘じておきたいです。

でも私としては、できることなら人間の「善」のほうを信じて生きていたいです・・・。



私が初めて夜と霧を読んだのは、今から30年くらい前です。

あの時は本に書かれている残虐さにばかり目がいってしまい、

(使われている写真も餓死した人達の死体が山のように積み上げられていたり、人体実験の

  写真だったりして、本当に怖かったです)

どうして人がこんなにも残虐になれるのかと途方にくれ、読むのが気持ち悪くなってしまい

最後まで読み通すことができなかったのです。

今でも、どうして人が人にあのようなことができるのか恐くてたまりませんが、

あの極限の悪の中、身の毛もよだつような残虐、悲惨な事実の中でも、

最後まで人間らしさを失わずに生き延びることのできた人たちがいる・・・

ということに大きな感動を覚えます。

これはまさに奇跡の物語とも言える実話、現実なのです・・・。


年をとるのが恐かったり嫌だったりしたけれど、いろんな見方ができるようになってきたので

年をとるのも悪くないと思います。



3・11以来、フランクルが注目されているようです。

本屋さんに行くと、フランクルの本がたくさんあります。

(私の好きな本屋さんには、心理学のコーナーに本は置いてありました)

私は図書館で借りてきたのですが、年齢やその人の置かれている環境などの違いによって

読む視点はそれぞれだと思いますし、感想もそれぞれだと思います。

まだご覧になっていない方には一度読んでいただきたいし、

私のように昔々に読んだ方も、再読してみると新たな発見があると思います。



なが~いブログになってしまいました。

最後まで読んでくださった方・・・お疲れだと思います。

どうもありがとうございました。

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[ 2012/07/19 23:27 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

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